簿記初級とは?
日商簿記初級(以下、簿記初級とします)とは、日商簿記4級が廃止され2017年に新たに追加された資格です。
簿記初級試験は、「簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に活用することができる」ことを目的とした、簿記の入門レベルに位置付けられている試験です。
簿記初級の資格を取得することで、続く簿記3級の資格取得のための勉強の基礎として役に立つ上に、簿記の基本知識が身につくことで、例えば家計簿など日常生活にも役立ちます。
簿記4級から簿記初級への最大の変更点は「インターネット受検」の導入です。
商工会議所が指定した専門施設「商工会議所ネット試験会場」で、実施から採点・合否判定まで全てネットで施行され、合否結果もその場ですぐに分かります。
また、試験日も随時開催となっており非常に敷居は低くなっています。
簿記初級資格試験概要
出題形式 | 問題数 | 配点 | 試験時間 | 合格基準 | 受験料 |
---|---|---|---|---|---|
四肢択一の穴埋め問題 | 10問 | 30点 | 40分 | 100点満点で70点以上 | 2,200円(税込) |
仕訳問題 | 10問 | 40点 | |||
試算表の数値読み取り問題 | – | 30点 |
【出題範囲・内容】
①簿記の基本原理 | (1)基礎概念(2)取引(3)勘定(4)帳簿(5)証ひょうと伝票 |
②期中取引の処理 | 別に定める勘定科目の範囲で、期中取引の処理(仕訳等)を行う。 (1)現金預金(2)売掛金と買掛金(3)その他の債権と債務(4)手形(5)商品 (6)固定資産(7)純資産(資本)(8)収益と費用(9)税金 |
③月次の集計 | 別に定める勘定科目の範囲での試算表(合計、残高、合計残高)による月次集計 を行い、数値を読み取る。 |
【受験資格】
制限なし(誰でも受験可能)
【試験日程】
商工会議所が指定の試験施行機関にて随時
簿記初級資格取得条件
合格ラインは100点満点中70点となっています。
簿記初級試験は、この合格最低点70点を超えていれば合格となります。
直近3年間の受験者データは以下の通りです。
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2019年4月1日~2020年3月31日 | 4,284名 | 2,545名 | 59.4% |
2018年4月1日~2019年3月31日 | 4,182名 | 2,421名 | 57.9% |
2017年4月1日~2018年3月31日 | 4,167名 | 2,243名 | 53.8% |
簿記初級資格試験対策
合格率を見ても分かる通り、簿記初級は簿記の入門レベルに位置付けられている試験なので比較的合格しやすい試験といえます。
出題範囲と内容を理解し、テキストを使い基本事項をしっかり頭に入れ、イージーミスを防ぐために演習をしておくことが主な対策となります。
実施団体から公認されている簿記初級試験対応テキスト「土日で合格(うか)る日商簿記初級 第2版」が、中央経済社から刊行されていますので、こちらを使用するのが良いでしょう。
また、TACからも「スッキリわかる日商簿記初級」が出版されていますので、合わせて参考にすることをお勧めします。