簿記2級とは?
簿記2級とは、経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つです。
簿記2級では、3級よりさらに高度な商業簿記の知識・技能の習得に加えて、工業簿記(原価計算を含む)の内容の習得も求められます。
また財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベルも高くなります。
「工業簿記」とは、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識・技能です。
簿記2級の資格試験は、学習範囲も広くなるうえ、内容もより高度になりますので 簿記3級試験と比べると難易度がかなり高くなります。
しかし、簿記2級を取得することで就職・転職やキャリアアップに役立つのは当然ですが、将来的に簿記1級や、さらには税理士試験・公認会計士試験を目指す時の基礎にもなります。
さらなるキャリアアップや将来的に独立などを考えている方は是非とも取得しておきたい資格です。
簿記2級資格試験概要
試験科目 | 出題形式 | 問題数 | 試験時間 | 合格基準 | 受験料 |
---|---|---|---|---|---|
商業簿記 工業簿記 (原価計算を含む) |
記述式 | 5題以内 | 120分 | 70%以上 | 4,720円(税込) |
【受験資格】
制限なし(誰でも受験可能)
1・2級、2・3級の併願受験も可能
【試験日程】
原則年3回(2月・6月・11月)
試験日時は日本商工会議所・各地商工会議所のHPにて確認が必要です。
※日商簿記検定試験の2級と3級について、年3回(2月・6月・11月)の統一試験日にペーパーで行う従来の試験方式(統一試験方式)に加えて、随時施行が可能なネット試験方式(CBT方式)による試験を実施することが正式に決定しました。
【申し込み方法】
申込受付日時、申込受付方法は各地商工会議所によって異なりますので、受験希望地の商工会議所のHPにて確認が必要です。
簿記2級資格取得条件
合格ラインは得点率70%以上となっています。
簿記2級試験は、この合格最低得点率70%を超えていれば合格となります。
合格発表の期日や方法、証書の受け渡し方法等は、商工会議所によって異なりますので、申し込みの際に確認が必要です。
直近6回の受験者データは以下の通りです。
回(実施年月日) | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
154回(2020.2.23) | 63,981名 | 46,939名 | 13,409名 | 28.6% |
153回(2019.11.17) | 62,206名 | 48,744名 | 13,195名 | 27.1% |
152回(2019.6.9) | 55,702名 | 41,995名 | 10,666名 | 25.4% |
151回(2019.2.24) | 66,729名 | 49,776名 | 6,297名 | 12.7% |
150回(2018.11.18) | 64,838名 | 49,516名 | 7,276名 | 14.7% |
149回(2018.6.10) | 52,694名 | 38,352名 | 5,964名 | 15.6% |
簿記2級資格試験対策
合格率を見ても分かる通り、簿記2級は簿記3級よりもかなり難易度が高くなっています。
2015年度に出題範囲の全面的な見直しが行われ、毎年改定されてきたことが影響しているうえに、工業簿記の範囲が新たに加わっていることが大きな原因となっています。
まずは、3級までの簿記の基礎知識がしっかりと身についているか確認の上、テキストを使い2級商業簿記の知識をしっかり頭に入れ、演習をこなすこと。
その後、テキストを使い2級工業簿記の知識もしっかり頭に入れ、演習を繰り返し定着と理解を深め完璧に工業簿記をマスターすること。
そして過去問をこなすことで傾向と対策を理解し、間違ったところをつぶしていくことが主な対策となります。
独学での学習も可能ですが、難易度から考えると、通信講座や専門学校の講座を受講することもお勧めします。
実施団体から公認されている簿記2級過去試験問題掲載書籍として、「日商簿記2級新論点問題集」が、株式会社カリアックから出ていますので、こちらを使用するのが良いでしょう。
また、それ以外にもTAC出版や中央経済社、大原出版などからも過去問題集・予想問題集が出ていますので、そちらを使用することをお勧めします。