簿記1級とは?
簿記1級とは、非常に高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の修得が要求され、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や分析を行う能力をも必要とされる簿記の最高峰の資格です。
簿記2級までは、簿記の知識や技能が身についているかが問われました。
簿記1級は簿記の高度な知識や技能が身についていることは当然、ビジネスシーンにおいて直面する問題を解決するための判断力や応用力、実践力を身につけることを要求されます。
つまり、簿記1級合格者は「会計のスペシャリスト」であると言うことができるでしょう。
簿記1級の資格取得は、非常に高度な会計知識と技能を有し、経営管理や分析を行う能力を持ち合わせていることの証明になりますので、就職・転職の際に非常に高く評価されますし、社内評価も高くなります。
さらには簿記1級の資格取得は税理士試験の受験資格にもなりますので、税理士や公認会計士への登竜門にもなります。
さらなるキャリアアップや将来的に独立などを考えている方は挑戦する価値がある資格です。
簿記1級資格試験概要
試験科目 | 試験時間(途中、休憩あり) | 合格基準 | 受験料 |
---|---|---|---|
商業簿記 | 90分 | 70%以上 かつ1科目ごとの 得点は40%以上 |
7,850円(税込) |
会計学 | |||
工業簿記 | 90分 | ||
原価計算 |
【受験資格】
制限なし(誰でも受験可能)
1・2級の併願受験も可能
【試験日程】
原則年2回(6月・11月)
試験日時は日本商工会議所・各地商工会議所のHPにて確認が必要です。
【申し込み方法】
申込受付日時、申込受付方法は各地商工会議所によって異なりますので、受験希望地の商工会議所のHPにて確認が必要です。
簿記1級資格取得条件
合格ラインは得点率70%以上かつ1科目ごとの得点は40%以上となっています。
合格発表の期日や方法、証書の受け渡し方法等は、商工会議所によって異なりますので、申し込みの際に確認が必要です。
直近6回の受験者データは以下の通りです。
回(実施年月日) | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
153回(2019.11.17) | 9,481名 | 7,520名 | 735名 | 9.8% |
152回(2019.6.9) | 8,438名 | 6,788名 | 575名 | 8.5% |
150回(2018.11.18) | 9,852名 | 7,588名 | 680名 | 9.0% |
149回(2018.6.10) | 9,429名 | 7,501名 | 1,007名 | 13.4% |
147回(2017.11.19) | 10,675名 | 8,286名 | 487名 | 5.9% |
146回(2017.6.11) | 9,064名 | 7,103名 | 626名 | 8.8% |
簿記1級資格試験対策
合格率を見ても分かる通り、簿記1級は非常に合格率が低く難関資格となっています。
3級と2級の知識と技能を確実に修得済みであることが前提で、更に広い範囲と、より深く専門的な知識を有することが求められます。
さらに簿記1級を難関にしているのが、合否の基準が相対評価によるものだと言われているところです。
配点や採点基準は明らかになっていませんが、簿記1級は、実態としては絶対評価の試験ではなく、受験者のうち上位10%前後に入ることが求められる試験だと言われています。
独学での合格は不可能ではありませんが、目指す試験日に向けて確実な学習計画を組んでくれて、効率的な勉強方法を要領良く教えてくれる通信講座や予備校の講座を受講することがベストな選択といえます。
多少の費用は掛かっても、簿記1級の資格を取得するメリットの方がはるかに大きいです。
また、下記の過去問題集等も活用しましょう。
・TAC出版
「’19年11月検定対策 合格するための過去問題集 日商簿記1級」
・中央経済社
「検定簿記講義〈2019年度版〉[1級/商業簿記・会計学](上巻・下巻)」
「検定簿記講義〈2019年度版〉[1級/工業簿記・原価計算](上巻・下巻)」
・大原出版
「日商簿記1級 過去問題集 2019受験対策用」